仏教コース

コース概要

浄土宗西山派の教えをもとにした知識および実践の学びの中で、現代における諸問題についても視野に入れ取り組むことによって、「今」に求められる僧侶としての心構えと「実践力」を身につけます。

アドミッション・ポリシー(AP)

ディプロマ・ポリシーおよびカリキュラム・ポリシーに定める教育を受けるための条件として、次に掲げる知識、能力、目的意識、意欲を備えた人物を求める。

  • AP1 建学の理念を理解し、温かい大きな心を育み、豊かな人間性を発揮することを目指し、成長する意欲がある。
  • AP2 高等学校等での教育課程を幅広く修得している。
  • AP3 地域や社会の動向に関心を持ち、知識や情報をもとに自ら考えることができる。
  • AP4 仏教をひろく学ぼうとする心構えを持っている。
  • AP5 浄土宗西山派の僧侶として必要な知識や能力、幅広い教養を身につけたいと考えている。

学生Voice

青木 賢祥 さん

知識や資格だけでなく、
どんな言葉だと教えが伝わるのか
考えています。

実家がある北海道・富良野市では、父と兄が自坊で僧侶として務めています。そんな家の手伝いがいつでもできるようにしておくため入学しました。

大学時代は関東で4年間過ごし、今は京都。入学前に加行を済ませ、科目等履修生として本学で学んでいます。自坊で暮らしていても、これまで西山浄土宗について本格的に学ぶ機会がなかったので、先生方の授業はどれも貴重です。

資格を取るためだけでなく、僧侶は檀家さんに話しができないと務まらないので、今のうちにしっかり歴史や教義について理解を深めておこうと思っています。中途半端な知識ではうまく話せなくて恥ずかしい思いをするからです。

どの授業もためになるお話が聞けますが、中でも特に興味深かったのは加藤善朗先生の『観無量寿経』。誰かに教えを伝える時にどんな言葉だと聞いてもらえるのか考えるきっかけになりました。また、幼少期から続けている少林寺拳法では日本代表入りが目標。何事も切磋琢磨していきます。


則岡 隆文 さん

多くの経験を積み一人前の僧侶に。
本山での日々のお勤めにも
慣れてきました。

私は隣にある本山の光明寺で修行しながら通っています。最初はどんな暮らしになるのか想像できませんでしたが、ほかの随身生との共同生活や日々のお勤めにもなれてきました。

和歌山県の自坊で暮らしてきたので、寺で行われる様々な行事についておおよそのことは知ってはいましたが、お彼岸やお盆などの回向に関わることでより具体的な経験を積むことができていると感じています。通学生だとこれほど深く学べないはずです。

授業では作法やお経の唱え方など一から教わることができ、鳴り物の扱い方も基礎から修得。修行の身のため普段はなかなか自由な時間がありませんが、伊藤真昭先生のフィールドワークでは知恩院や比叡山を実際に訪れることができ、京都ならではの学びにも満足。幅広い視点を与えていただいています。本学や本山での学びは浄土宗の基礎となるものなので、この経験を将来生かしていきたいです。

開講科目予定

※2024年度開講科目については、が「2024年度学生便覧」のカリキュラム表を参照してください。

※画像をタップすると拡大して表示することができます。

取得できる資格

  • 西山浄土宗教師資格
  • 浄土宗西山禅林寺派教師資格
  • 浄土宗西山深草派教師資格

授業ピックアップ

西山教義を理解し、現代社会に求められる僧侶になる
時代を超えて受け継がれる法然上人の教えとは何か。現代社会の問題と照らし合わせて深く学んでいきます。

事相教旨

『観無量寿経疏』に基づいて構成された当麻曼荼羅(たいままんだら)を資料として用いて、描かれている仏の教えや込められている意味を丁寧に読み解いていきます。證空上人との関わりなど、さまざまな側面から掘り下げます。

西山文献演習

西山教義に関わる文献を読み、教えに対する理解を深めます。授業は一方的なレクチャーではなく、グループディスカッションや課題発表による形式で実施。相互に意見を交わしながら、用語の解釈や背景にある思想をひもといていきます。

現代社会と仏教

仏教で説く救いが「人の死生観に何を与えるか」を考える授業です。医療や福祉の現場などで聞かれる「ターミナルケア」「終末医療」といった社会的な問題への関心を高め、仏教が現代を生きる人たちの課題にいかに応えるか考察します。

古文書をよむ

江戸時代以前に書かれた文字を読みます。多くのお寺には「古文書」がありますが、何が書かれているかわかるとお寺の歴史や昔の人の考え方に近付くことができます。

フィールドワーク

仏教の歴史や教義への理解を深めるため、さまざまな寺院を参拝します。対象となる寺院は宗派を問わず幅広く、光明寺はもとより法然上人ゆかりの浄土宗総本山知恩院や比叡山などさまざま。寺院の多い京都ならではの授業です。

一人前の僧侶を
育てたい

各地で活躍する力アップ

田中 雅伸 先生

京都西山短期大学仏教学科仏教コース卒業。西蔵寺の住職。2010年より本学、法式講師として着任。総本山光明寺式事研修会に20年間在籍。

「法式」「西山文献演習」の授業を担当している田中雅伸先生に、授業を通して学生に伝えたいことを伺いました。

―授業ではどのようなことを教えられているのでしょうか。

田中

「西山文献演習」は基本的に座学です。声を出して様々な文献を読み、教義の理解を深めてもらっています。一方、「法式」は実技演習がメインですね。お経を読む時の声の出し方や木魚のたたき方、各種法要の作法を中心に教えています。

―なぜ「法式」は実演主体なのでしょうか。

田中

卒業したら実家のお寺を継いで、すぐに僧侶として法要を行わないといけない学生もいるためです。ひとりの僧侶として巣立っていけるように実践を重視しています。

―すぐに習得できるのでしょうか。

田中

実家がお寺の学生は、小さい頃から見たり聞いたりしているため比較的上手ですね。お寺に馴染みのない学生でもどんどん上達します。たとえば木魚のたたき方には、お経の文字を読むのと同時に打つ「頭打ち」と、文字と文字の間に打つ「間打ち」というのがあって、どちらもお経を読む時のリズムをとるものなので、お経が読めるようになってリズム取りに慣れればできるようになります。

―ひと通り覚えれば、それで僧侶としてやっていけるのでしょうか。

田中

本学で教えている法式は、西山浄土宗の一番ベーシックなものです。法要の作法にしろお経の読み方にしろ地域によって違いがあるので、それは卒業してから少しずつ学んでいかないといけないですね。

―僧侶にも地域性があるのですね。

伊藤

私が僧侶を務める京都市内の寺院にも、独自のものがあります。ただ、ここできっちり基礎を習得できれば対応できるんです。現役の僧侶として、そういったアドバイスはできますね。

―これからも学生への指導、よろしくお願いいたします。