
京都西山短期大学の建学の理念は「学仏大悲心」―仏の慈悲の心を学ぶ―ということです。それは、人のよろこびを自分のよろこびとし、人の悲しみを自分の悲しみとして受け止め、自らの身体と心を通じて社会に貢献することです。本学はそのような人材を育成するということを目的とし、教員・職員・スタッフ全員が一人ひとりの学生全員に寄り添い、それぞれが持つ個性、特性を理解し、活かして伸ばすことを実践しています。
先日、あるお医者さんから聞いたのですが、患者さんは痛みの最中でも、「ありがとう」と感謝している瞬間は、痛みの苦しみが和らぐそうです。青春時代は楽しいことばかりではありません。京都西山短期大学に学ぶ学生は、つらいことに直面しても感謝の心を忘れず、支え合うことの大切さを理解して教学の実践を深め、社会に巣立っています。
平安時代の終わり、社会が争乱や疫病で苦しむ中、一条の光として法然上人が人々の救いを説きはじめたこの聖地で、ともに気付き、ともに学び合う仲間となる日が、一日も早く来ることを願っています。
学長
加藤 善朗